今回は、無料で公開するかちょっと悩んだんですが出します。
知ってる人は知ってるだろうし、立会外分売に申し込む人もかなり増えているので、そもそも簡単に当選しないし。ということで。
今、自分のブログ読んでくれている人はかなり少ないし特に問題ないかな。
立会外分売の2008年~2019年の12年間のデータを検証しました。
立会外分売でどういう銘柄を、申し込めばいいか分かる記事となっています。
データを示していきますので、ゆっくりご覧ください。
・実施回数と中止回数
・貸借銘柄と非貸借銘柄での比較
・上場市場で比較
・貸借は全申込確定だけど、非貸借銘柄でもっと良い結果出せないか?
・成績の悪い2008-2011年と地方市場銘柄
・まとめ
実施回数と中止回数
まず、立会外分売の実施回数から見ていきましょう。
12年間で、1101件で年平均は91.75件でした。
市場別に実施回数を数えると、↓グラフです。JQが多いんですね。
次に、中止件数は12年間で33件で年平均は2.75件でした。
貸借銘柄と非貸借銘柄での比較
貸借銘柄とそれ以外の銘柄のパフォーマンスが異なるのは有名な話で、事前に空売りが入って後で買戻しによる上昇が期待できる為に貸借銘柄のパフォーマンスが良い。
貸借銘柄と非貸借銘柄の割合は、貸借銘柄が約24%(257件)でそれ以外の銘柄が約76%(811件)だった。
さっそくパフォーマンスを見ていきましょう。
ちなみにパフォーマンスを測る為の売買ルールは、【分売価格で買い⇒当日終値で売り】です。
棒グラフは、左軸が利益率、右軸が勝率です。
利益率(棒グラフ左軸) | 勝率(棒グラフ右軸) | データ数 | |
全銘柄 | 1.48% | 67.30% | 1068 |
貸借 | 3.17% | 86.77% | 257 |
それ以外 | 0.95% | 63.87% | 811 |
貸借銘柄vs非貸借銘柄は完全に貸借銘柄がパフォーマンスが良いですね。
次に、貸借銘柄と非貸借銘柄のパフォーマンスを年毎に見ていきましょう。
貸借利益率 | 貸借勝率 | 貸借 データ数 | 非貸借 利益率 | それ以外 勝率 | それ以外 データ数 | |
2008 | 7.10% | 75.00% | 4 | -1.17% | 33.33% | 30 |
2009 | 3.79% | 100.00% | 8 | -0.09% | 60.61% | 33 |
2010 | 3.12% | 100.00% | 4 | -0.50% | 47.27% | 55 |
2011 | 3.67% | 100.00% | 10 | 0.02% | 60.00% | 40 |
2012 | 3.06% | 84.62% | 13 | 0.84% | 68.66% | 67 |
2013 | 4.39% | 91.89% | 37 | 0.73% | 66.07% | 112 |
2014 | 2.88% | 88.89% | 27 | 1.00% | 59.09% | 66 |
2015 | 2.16% | 83.87% | 31 | 1.11% | 66.20% | 71 |
2016 | 4.10% | 90.91% | 22 | 1.61% | 65.71% | 70 |
2017 | 2.40% | 77.78% | 36 | 2.30% | 76.29% | 97 |
2018 | 2.71% | 82.35% | 34 | 0.84% | 56.84% | 95 |
2019 | 2.95% | 87.10% | 31 | 1.77% | 77.33% | 75 |
年で分けて見ても、貸借銘柄はずっとパフォーマンスが良いですね。
気になるのが、非貸借銘柄です。
2008-2011年までかなり厳しい状況です。
リーマンショック~東日本大震災で市場が冷え込んでいた時期ですね。
市場の出来高が少なかった為か、需給悪化に繋がりやすかったのでしょうか?
上場市場で比較
次は、市場毎に利益率と勝率を見ていきましょう。
東1 利益率 | 東2 利益率 | 東M 利益率 | JQ 利益率 | 地方 利益率 |
1.90% | 2.00% | 1.59% | 1.09% | 0.24% |
東1 勝率 | 東2 勝率 | 東M 勝率 | JQ 勝率 | 地方 勝率 |
76.92% | 77.46% | 63.83% | 65.40% | 59.52% |
東証1部と東証2部が利益率・勝率ともに高いですね。
次は、貸借銘柄と非貸借銘柄を市場別で見ていきましょう。
東1 利益率 | 東1勝率 | 東1 データ数 | 東2 利益率 | 東2 勝率 | 東2 データ数 | 東M 利益率 | 東M 勝率 | 東M データ数 | JQ 利益率 | JQ 勝率 | JQ データ数 | 地方 利益率 | 地方 勝率 | 地方 データ数 | |
貸借 | 2.34% | 82.73% | 139 | 4.08% | 93.33% | 45 | 3.89% | 81.25% | 16 | 4.27% | 93.02% | 43 | 4.32% | 92.86% | 14 |
貸借以外 | 1.16% | 67.07% | 82 | 1.44% | 73.21% | 168 | 1.42% | 62.56% | 219 | 0.59% | 61.03% | 272 | -0.58% | 52.86% | 70 |
合計 | 1.90% | 76.92% | 221 | 2.00% | 77.46% | 213 | 1.59% | 63.83% | 235 | 1.09% | 65.40% | 315 | 0.24% | 59.52% | 84 |
これを見ると、とにかく貸借銘柄は買い!と言えるでしょう。
また、東証1部/東証2部/東証マザーズは非貸借銘柄でも申し込んでも成績が良く見えます。
地方市場の非貸借銘柄は、しっかりマイナス計上で申し込んだらダメな気がしますね。
貸借は全申込確定だけど、それ以外の銘柄でもっと良い結果出せないか?
貸借銘柄はかなり勝てることは分かりました。
でも約3/4は非貸借銘柄なわけで、その銘柄群の中で選別して良い銘柄達を申し込みたいと思いますよね。
今回検証したのは、出来高に対して分売株数が多い銘柄は需給悪化が酷く成績が悪いのではないか?と仮設を立てて調べてみました。
非貸借銘柄から分売比率(分売株数÷前月出来高)を計算し、成績を確認してみました。
信用 &なし | 25%未満 利益率 | 25%未満 勝率 | 25%未満 データ数 | 25以上~50%未満 利益率 | 25以上~50%未満 勝率 | 25以上~50%未満 データ数 | 50以上~75%未満 利益率 | 50以上~75%未満 勝率 | 50以上~75%未満 データ数 | 75以上~100%未満 利益率 | 75以上~100%未満 勝率 | 75以上~100%未満 データ数 | 100以上~250%未満 利益率 | 100以上~250%未満 勝率 | 100以上~250%未満 データ数 | 250以上~500%未満 利益率 | 250以上~500%未満 勝率 | 250以上~500%未満 データ数 | 500以上~750%未満 利益率 | 500以上~750%未満 勝率 | 500以上~750%未満 データ数 | 750以上~1000%未満 利益率 | 750以上~1000%未満 勝率 | 750以上~1000%未満 データ数 | 1000%以上 利益率 | 1000%以上 勝率 | 1000%以上 データ数 |
合計 | 1.83% | 70.59% | 204 | 1.99% | 72.13% | 122 | 1.59% | 66.67% | 78 | 0.87% | 71.43% | 56 | 0.53% | 63.91% | 169 | -0.40% | 46.84% | 79 | -0.06% | 53.85% | 39 | -0.44% | 50.00% | 24 | -1.69% | 40.00% | 40 |
それなりに綺麗に傾向が出たのではないでしょうか?
データの区切り方が綺麗では無いかもしれませんが、データ分析は独学なので細かいことは気にしない気にしない。
出来高に対して、分売株数が多いと成績が悪くなるようです。
これは、言い方を変えると出来高に対し分売株数が多く需給悪化が酷いのにディスカウント率が大きくならないということです。
前月出来高の75%未満の分売株数の場合は、信用銘柄でも申し込みたいですね。
信用銘柄は、前月出来高の75%未満の分売株数の場合に限り、全力申し込み!
そうすると、勝率約70%で平均2%弱の利益を獲得できそうです。
この結果から少し前で市場で分けて観察したけど、非貸借銘柄を上場市場で選別するというのは微妙な気がしてきました。
そこで、上場市場で分けて成績が良かった東証1部と東証2部に絞り分売比率で分けて見てみましょう。
今回は、分売比率75%未満と、75%以上で見てみましょう。
仮に、東証1部と東証2部非貸借銘柄で分売比率75%未満と比較して75%以上が成績良ければ、市場で選別することも有効になるでしょう。
結果を見てみましょう。
利益率 | 勝率 | データ数 | |
分売比率 75%未満 | 2.32% | 75.68% | 111 |
分売比率 75%以上 | 0.56% | 67.63% | 139 |
結果としては、非貸借銘柄を市場別でみたときに成績が良かった東証1部と2部について、分売比率で分けて観察してみた結果
分売比率が高くなると成績がガクッと悪くなるということが分かりました。
ということで、立会外分売銘柄を市場別で分ける必要は無さそうですね。
立会外分売は、東証1部昇格へ繋がる重要なイベントなので上場市場によってかなり影響してくると想定していました。
その為、自分的には意外な結果でした。
成績の悪い2008-2011年と地方市場銘柄
非貸借銘柄の2008年~2011年の成績・非貸借銘柄の地方市場銘柄の成績が悪かったですよね。
これらも分売比率75%で区切って見ておきましょうか。
まずは、市場が閑散としていたであろう2008-2011年の非貸借銘柄を見ていきます。
利益率 | 勝率 | データ数 | |
75%未満 | 0.39% | 63.41% | 41 |
75%以上 | -0.69% | 46.15% | 117 |
市場環境が悪くても分売比率が低い銘柄は需給悪化が限られている為、利益率もプラスを維持できていますね。
次に、地方市場の非貸借銘柄を見ていきます。
利益率 | 勝率 | データ数 | |
75%未満 | 0.51% | 68.42% | 19 |
75%以上 | -1.30% | 41.46% | 41 |
こちらについても、成績は良くないものの分売比率が低い銘柄は利益率プラスを維持しています。
地方銘柄で、分売比率が高い銘柄は申し込みはしない方がいいですね。
まとめ
■とにかく貸借銘柄は全力申し込み!
(売禁になった場合は成績良くないですので申し込まなくていいですよ)
当たって当日終値で売れば、勝率約87%で3%くらい利益が出そう。
■非貸借銘柄は、分売比率で75%未満の銘柄は全力申し込み!
当たって当日終値で売れば、勝率約70%で2%弱くらい利益が出そう。
■非貸借銘柄は、特に分売比率で200%以上の銘柄は申し込んではいけない!統計的にマイナスの成績です。
需給悪化が酷いのにディスカウント率が考慮されていないようにデータからは見える。
■いつか来るであろう閑散相場、そのときはパフォーマンスが落ちることを頭に入れておこう。
立会外分売が発表されたら、上記に該当するか確認して申し込みましょう。
コツコツ落ちてるお金を拾っていきましょう。
今回の検証について、コメントなどあればTwitterでお願いします。
検証ではデータに誤りが無いように気をつけているものの、どこかに誤りがあるかもしれません。
投資は自己責任です。
如何なる損害についての責任も取りませんので悪しからず。
おわり。